ED治療薬を買う前に知っておきたい基礎知識
出典:ED治療薬の比較表「バイアグラ・レビトラ・シアリス」 | 新橋ファーストクリニック【公式】 ![]()
ED治療薬は薬局に売っている精力剤とは違い、使い方を間違えると命に関わる副作用が起こるため、病院やクリニックで処方箋をもらわなければ購入できない処方薬です。
せっかくバイアグラを買いに新宿まで来たのに処方してもらえなかった…
バイアグラを処方してもらったけど副作用ばかりひどくて効果がなかった…
という事にならぬよう、まずはこのページでED治療薬の基礎をしっかり把握しておきましょう。
ED治療薬は血管を広げる薬!?心臓の病気がある方は要注意!
出典:バイアグラは勃起を維持する薬 その仕組みと気をつけることについて | 英メンズクリニック| 男性不妊治療専門クリニック ![]()
ED治療薬は正式名称をPDE5阻害薬といい、血管を広げて男性器への血流を増加させる作用のあるお薬です。
日本で処方されているED治療薬はバイアグラ、レビトラ、シアリスの3つで、これらはいずれもPDE5阻害薬です。
世界初のED治療薬として知られるバイアグラですが、実はもともと狭心症のお薬として開発されていました。本来の用途としては芳しくなかったものの、副作用として服用した患者に勃起改善効果が発見されてED治療薬として誕生したのがバイアグラです。
バイアグラを始めとするPDE5阻害薬には降圧作用があるため、心臓や血管に障害がある人や低血圧の人は禁忌となっています。
また、狭心症などで降圧剤(硝酸剤)や抗不整脈薬を飲んでいる人が服用すると降圧作用が強まって非常に危険ですので併用禁忌とされています。
ED治療薬が有効なのは「器質性ED」だけ!?
出典:勃起障害(ED)について | 男性不妊・メンズヘルス診療 プライベートケアクリニック東京 ![]()
EDには器質性と機能性の2種類があり、ED治療薬が効果を発揮するのは器質性EDのみです。
器質性は何らかの身体的な不具合が要因となって男性器への血流が低下し、陰茎海綿体に十分な血液が行き渡らず勃起不十分となるEDです。
一方で機能性はやはり何らかの精神的負担が要因となって体の神経伝達が低下し、脳から脊髄を通る信号が不足して性的興奮が男性期に伝わらずに勃起不十分となるEDです。
ED治療薬はあくまで血流を増加させる薬であり、神経伝達には作用を及ぼさないため、機能性EDに対しては効果がありません。
EDの原因は人のよって異なり、機能性と器質性が複雑に絡み合う混合性EDもあります。
肥満や糖尿病、加齢や動脈硬化があれば器質性の要因が強く、性行為に対して不安やプレッシャー、過去の精神的なトラウマがある場合は機能性の要因が強くなります。
一概に服用する前に決めつけるのは良くないですが、ED治療薬を服用しても効果が芳しくない場合、理由の一つとして機能性要因が強い可能性があります。
ED治療薬の副作用はどんな症状が出る!?

ED治療薬は血管を広げる作用がありますので、体内の血流が急激に変わる事で様々な症状が起こりえます。
主な副作用は頭痛、ほてり、目の充血、鼻詰まり、動悸、脈拍の増加、めまい、吐き気、消化不良、筋肉痛、関節痛です。
特に多いのが頭痛とほてりで、バイアグラには多く見られる症状です(バイアグラにおいては効果の出ている証拠と思うぐらいに慣れ親しんだ利用者もいるぐらいです)。
ED治療薬の副作用はいずれも一時的なものであり、薬の効き目がなくなるにつれて症状も治まってくるので心配はいりません。
頭痛によって性交に支障が出そうな場合は対策として頭痛薬(鎮痛剤)を併用すると有効です。消化不良や吐き気などの胃腸障害が気になる場合は、胃腸薬を一緒に飲むことで症状の予防ができます。同様に、鼻詰まりに対しては鼻炎薬との併用が有効です。
鎮痛剤、胃腸薬、鼻炎薬といった頓服薬はED治療薬と併用しても特に問題ありませんので、副作用対策として一緒に処方しているクリニックもあります。
以下は海外製薬会社の統計による、バイアグラ・シアリス・レビトラ・ステンドラの4剤で主に見られる副作用の比較表です。
副作用 | バイアグラ | シアリス | レビトラ | ステンドラ |
---|---|---|---|---|
鼻づまり | × | × | × | × |
頭痛 | × | × | × | × |
めまい | × | × | ||
吐き気 | × | |||
消化不良 | × | × | ||
視界異常 | × | |||
発疹 | × | |||
ほてり | × | × | × | × |
背中の痛み | × | × | × | × |
手足の痛み | × | |||
筋肉痛 | × | × | ||
喉の痛み | × |
参考:Cialis vs Viagra (and Other ED Pill Comparisons): Which Is Best?
ED治療薬はどの薬を選べば良い!?
出典:ED治療薬の比較表「バイアグラ・レビトラ・シアリス」 | 新橋ファーストクリニック【公式】 ![]()
日本で認可されているED治療薬はバイアグラ、レビトラ、シアリスおよび各種ジェネリックですが、クリニックによっては海外でしか認可されていないED治療薬を処方している所もあります。
聞いたこともないような薬だと不安になる人もいますが、基本的にED治療薬は全てPDE5阻害薬ですので基本的な仕組みはバイアグラと同じです。薬によって違う部分は体への吸収や排出にかかる時間、効き目の出方(即効型、持続型)です。
初めてED治療薬をお求めの場合はまずバイアグラ、レビトラ、シアリスを1錠ずつ処方してもらって効き目を比較することをおすすめします。これはそれぞれの薬において、効き目や副作用の出方に個人差が出るからです。つまりどの薬が一番使い勝手が良いかは人それぞれであり、こればかりは実際に試してみなければ良し悪しを判断できないのです。
参考までに、一般的に臨床データで証明されている各ED治療薬の特徴は下記のとおりです。
薬品名 | 発現時間 | 持続時間 | 勃起力 | 食事の影響 | 副作用 |
---|---|---|---|---|---|
バイアグラ | 30分~1時間 | 4~5時間 | 強い | 受けやすい | 出やすい |
レビトラ | 20分~40分 | 6~8時間 | 強い | 受けにくい | 出やすい |
シアリス | 1~3時間 | 30~36時間 | 控えめ | 受けにくい | 出にくい |
ステンドラ | 15~30分 | 6時間 | やや強い | 受けにくい | 出やすい |
ザイデナ | 30分~1時間 | 12時間 | やや強い | 受けにくい | 出にくい |
バイアグラ
出典:バイアグラ錠50mg|製品情報|PfizerPRO ![]()
1998年にファイザー社から販売された、世界初にして代表的なED治療薬。主成分はシルデナフィルで、日本では1999年に販売開始されました。
成分量は日本で認可されているのが25mgと50mg、欧米では100mgも認可されています。
ED治療薬の中でも硬さのある力強い勃起に定評があり、今なお多くのリピーターがいます。
ほてりや頭痛が副作用として起こりやすくなりますが、これらの症状をむしろ効果の出る証拠だと言う人もいます。
出典:勃起不全治療剤「バイアグラ(R)」の新剤形「バイアグラ(R)ODフィルム」 10月21日に新発売~ED治療剤として“国内初”のODフィルム製剤~ ![]()
バイアグラは通常タイプの錠剤に加えて、舌の上で溶かすタイプのODフィルムがあります。ODフィルムは吸収性が高く、水がなくても飲めるというメリットがあります。
食事の影響を受けやすいため、空腹時に飲まなければ効き目が落ちるのがデメリットです。
出典:シルデナフィルOD錠50mgVI「トーワ」 | 製品検索 | 製品情報 | 東和薬品医療関係者向けサイト ![]()
先発薬の他にも、シルデナフィル錠として各製薬会社からジェネリック医薬品が販売されています。
20年以上の販売実績があり、もはやED治療薬の代名詞とも言える薬です。
レビトラ
出典:レビトラ錠 5mg/10mg/20mg- 製品情報 |バイエル ファーマ ナビ|バイエル薬品 ![]()
バイアグラに次いで2003年にバイエル社から販売された、2番目のED治療薬。主成分はバルデナフィルで、日本では2004年に販売開始されました。
成分量は5mg、10mg、20mgの3種類があり、日本でも欧米でも同じです。
バイアグラの欠点が改善され、食事の影響を受けにくくなりました。
力強い硬さの勃起力はそのままに、持続力と即効性が優れているため、服用タイミングを調整しやすくなっている利便性の高い薬です。
レビトラは、製造元であるバイエル社の都合でたびたび製造中止となり、現在もなお供給が不安定な状況が続いています。
在庫を抱えたクリニックが少なくなっていますので、レビトラをお求めの際には必ずクリニックに問い合わせて在庫状況を確認しておきましょう。
出典:バルデナフィル錠20mg「サワイ」(レビトラ錠20mgのジェネリック医薬品)|沢井製薬 ![]()
レビトラは2020年から待望のジェネリック医薬品「バルデナフィル錠」が販売されたので、レビトラの在庫があるクリニックが見つからない場合は代替案としてジェネリックに切り替えるのも手です。
シアリス
出典:シアリス錠20mg|製品一覧|医療関係者の皆様へ|日本新薬株式会社 ![]()
レビトラに次いで2003年にイーライリリー社から販売された、3番目のED治療薬。主成分はタダラフィルで、日本では2007年に販売開始されました。
成分量は5mg、10mg、20mgの3種類があり、日本でも欧米でも同じです。
シアリスの最大の特徴は36時間という圧倒的な長さを誇る持続時間です。他2剤との決定的な違いとして、性交の予定日が決まっている場合には前日にあらかじめ飲んでおけばタイミングを一切気にせず効果を得られる点です。金曜日の夜に服用しておけば日曜日の午前中まで効果が持続するため、シアリスは別名ウィークエンドピルとも呼ばれています。
他にもレビトラ同様に食事の影響を受けにくくなっており、副作用が他2剤に比べて起こりにくいというメリットもあります。
一方で勃起力の強さは他2剤に比べて控えめで、薬で強化させた感じはなく自然な勃起となります。シアリスは薬がゆっくり溶けるので、効果が出始めるまで1~3時間ほどかかります。
日本で処方されているED治療薬の中では最も新しい薬ですが、世界で今やトップシェアの座に君臨する人気が高い勃起薬です。
出典:タダラフィル錠10mgCI・20mgCI「ファイザー」| 後発医薬品等情報 | PfizerPRO社 ![]()
2020年にはシアリスのジェネリック医薬品としてタダラフィル錠が販売されました。
ザイデナ
出典:ZYDENAR 100 mg film tablet ![]()
シアリスに次いで2005年に東亞薬品から販売された、4番目のED治療薬。主成分はウデナフィルで、日本では認可されていません。
ザイデナは韓国の製薬会社である東亞薬品が開発した、初のアジア産ED治療薬です。アジア人向けに作られているため、従来のED治療薬に比べて日本人でも飲みやすいとされています。
ザイデナの特徴はバイアグラやレビトラのような即効型とシアリスのような持続型との中間ぐらいの効き方である点です。すなわち持続時間が12時間と長めでありながら、服用して30分~1時間で効いてきます。当日の夜に性交の予定がある場合なら、昼間に好きなタイミングで飲んでおけば良いので利便性は高いと言えます。
食事の影響を受けにくいので、空腹時でなくても服用できます。
ザイデナは先発薬の他にも、ウデナ等のジェネック医薬品があります。
ステンドラ
出典:Endo terminates Stendra licensing and supply agreement with Vivus - Philadelphia Business Journal ![]()
ザイデナに次いで2012年にヴィヴス社から販売された、5番目のED治療薬。主成分はアバナフィルで、日本では認可されていません。
ステンドラの特徴はレビトラをも凌ぐと言われる即効性です。空腹時に飲めば、服用して最短で15分という速さで効き目が出るので、風俗へ行く直前など気が向いたタイミングで飲んでもすぐ対応できます。
食事の影響を受けにくいので、空腹時でなくても服用できます。
ステンドラはアメリカでの商品名であり、ヨーロッパでは先発薬としてスペドラという商品名で知られています。先発薬の他にも、アバナ等のジェネリック医薬品があります。